【フランス唯一のマニュファクチュールブランド“ペキニエ”】

【フランス唯一のマニュファクチュールブランド“ペキニエ”】

2011Pequignet011973年にフランス・モルトーにて本社兼工房を構えるフランスの宝飾デザイナーであるエミール・ペキニエがジュエリーとともにジュエリー・ウォッチブランドを設立したのが始まりです。かつて1960年代には200以上もの時計メーカーが競い合っていましたが、1970年代以降のクォーツショックでフランスの時計産業は、殆ど姿を消してしまいましたが、そのような中ペキニエ社は、クォーツウォッチブランドとしてフランスの時計産業を支えて来ました。
そのような状況下でペキニエは、2009年にかつてゼニスのエリートムーブメントの開発に携わっていたディディエ・レイブングッド氏(前社長)がペキニエを買い取り、新たなスタートをしました。

そして新たに高性能ムーブメントを開発する為に、ペキニエ本社に設置されたラボラトリーで、開発を担当したのが、ユイ・ヴァン・トラン氏です。

ユイヴァントラン氏彼はラ・ショー・ド・フォンにある複雑ムーブメントの開発を請け負う開発工房での勤務経験を持ち、多数の独立時計師や独立系高級時計ブランドからの依頼の複雑機構を搭載したムーブメントの開発を行っていた経歴の持ち主で、彼がこのカリブルロワイヤルの設計開発を手掛けました。開発当初は、世界初の機構を5つも取得したマニュファクチュールムーブメントとしてフランスはもとより、ヨーロッパ近隣諸国でも話題となりました。

しかし開発製造と同時に世界一斉発売と大々的なセールスとは裏腹にヨーロッパ各国のオーダーに対するデリバリーとのアンバランスさと、デイト送りの不具合や巻き上げローターの切り替え車の不具合等の初期不良が重なり、調整やパーツ交換の為の世界各国からの調整点検依頼とともに過剰な設備投資が行われた結果、経営が悪化するようになり、そして2012年始めにフランスにて会社更生法に当る破産の申請手続きを行うに至りました。

しかし、そこでフランス出身である大手コンピュータ・ハードディスク会社“LaCie”の創業者の一人であるローラン・カッツ氏がアメリカの大手ハードディスクドライブメーカー“Seagate”へ会社を売却し、その莫大な資金でペキニエ社に資本参加を行い、2012年7月よりペキニエ マニュファクチュールのCEOに就任しました。

これは、カッツ氏曰く勿論フランス唯一のマニュファクチュールブランドあったからという点が最も出資する大きな要因ではあったそうですが、もうひとつはペキニエの技術は非常に高度かつ開発チームのポテンシャルの高さに驚かされたとのことでした。
さらに素晴らしかった事は、資金難に陥った時でも、退職したのはたったの2人だったということで、従業員のモチベーションの高さにも驚かされたそうでした。
“そのような人々が従事する会社から作り上げられる時計に素晴らしい時計で無いはずは無い!”と確信したそうです。

不具合があった箇所ももう既に解決済で、現在ではもう新たなムーブメントの開発へと進んでいるそうです。

du_fonction_rubber01そのような中、2014年の新作が入荷したのがこちら。
ペキニエ<ロワイヤル グランスポール チタン ドゥ・フォンクション>
直径44mmのチタンケースに、5気圧の防水を保持し、4時位置にスモールセコンド、8時T位置に88時間のパワーリザーブインジケータを備えた、シンプルかつスポーティーなモデル。
フォールディングバックル付きのシリコンラバーストラップもよりカジュアルな印象です。
¥691,200(税込み)du_fonction_rubber04

何よりこのカリブルロワイヤルの素晴らしい所は、シングルバレルで88時間(実質100時間)の高トルクなゼンマイを搭載しながら、輪列のズレやストレス等がほぼ起こらない駆動システムが採用されている他、72時間までのテンプ角が220°以上保持するようにも設計されています。du_fonction_rubber02
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フランスマニュファクチュールの証である“FABRIQUE EN FRANCE”が誇らしげにプリントされています。